多様なテイストのバトルスの評判

バトルスのアルバム「グロスドロップ」を数々の有名アーティストがリミキシングした「ドロスグロップ」は、4枚の12インチアナログ盤としてアメリカでリリースされた後、日本先行でそれらをまとめたCDアルバムとして発売されています。

 

これら4つのうち一番後発でリリースされている第4弾には、満を持してバトルスとゆかりの深いエクスペリメンタルサウンドリミキサーが集結。聴きごたえがあると評判の3曲が収められています。

 

第4弾としてリリースされたのは「Ice Cream」「Rolls Bayce」「My Machines」。それぞれのリミックスを「Ice Cream」ではバトルスと同じニューヨークを拠点とするオルタナバンド・Gang Gang DanceのBrian Degraw、「Rolls Bayce」はバトルスと同じレコードレーベルで活動するHudson Mohawke、「My Machines」はニューヨークで活動していたダンスパンクバンド・LCD Soundsystemに参加していたPatrick MahoneyとそのオリジナルレーベルDFAのプロデューサーであるDennis McNanyのタッグで行っています。

 

彼らはポストロックやエクスペリメンタル、ダンスパンクといったテイストにおいてバトルスと相容れるものを持っている面々であり、絶大な信頼のもとに「ドロスグロップ」のリミキサーとしてオファーを受けたものです。

 

Brian Degraw (Gang Gang Dance)
アメリカ・ニューヨークのオルタナバンドであるGang Gang Danceは、ロックにおけるさまざまな要素を取り入れたサウンド展開を行うバンドです。ポストロック・ノイズロックといったものからサイケやエレクトロニカ要素まで柔軟に織り交ぜた実験的なサウンドが特徴であり、カオティックでボーダレスな姿勢はバトルスの音楽製作と重なるところを有しています。

 

このバンドでキーボード・エフェクトを担当するBrian Degrawが繰り出すうねりのあるサウンドはバトルスがこのリミックスに求めるものの1つであるカオスをより絶妙に表現しうるというベストな人選です。

 

Hudson Mohawke
スコットランド出身のDJ・プロデューサーであるHudson Mohawkeは、イギリスのエレクトロニカレーベルWARPで活動するアーティストです。このレーベルは、まさにバトルスが所属しているものであり、「ドロスグロップ」もこのWARPよりリリースされています。

 

バトルスのレーベルメイトとして交流も深い彼であるからこそスムーズに起用が決まったとのことで、よりエレクトロニカルなサウンドを提供しています。バトルスサウンドとの融合が心地よい仕上がりです。

 

Patrick Mahoney & Dennis McNany
Patrick Mahoneyは、もともと James MurphyのソロプロジェクトであるLCD Soundsystemのライブ時のバンドメンバーであり、ドラマーとして活動していました。Dennis McNanyは、LCD Soundsystemの独自レーベルとして立ち上がったDFAにて辣腕をふるう名プロデューサーです。パンクロックテイストとダンスサウンドを融合させたダンスパンクを普及させた立役者であり、彼らのテイストの融合でバトルスサウンドにさらなる可能性を吹き込んでいます。